
苔とベンレート:病気から苔を守る正しい知識と使い方
苔(コケ)は、私たちに静かな癒しと自然の美しさを届けてくれる植物です。苔庭や苔テラリウムのように、観賞用として愛される場面も増えてきました。しかしその一方で、苔は病気に対して繊細な一面を持っています。特にカビや菌類による病気は、放っておくと苔の全体を枯らしてしまうこともあります。そんなときに役立つのが「ベンレート」という殺菌剤です。
本記事では、苔における病気の種類、ベンレートの特徴や使い方、使用上の注意点などを詳しく解説していきます。
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苔伝道師の増田(まっすん)です。

今日は「苔の豆知識」をお伝えしていきます♬
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苔に発生する主な病気とは?
苔は比較的丈夫な植物に見られがちですが、湿度や通気性の悪さ、照度不足などの環境条件が揃うと、病気の発生リスクが高まります。苔に多く見られる病気には、次のようなものがあります。
1. 白カビ(糸状菌)
湿度が高く通気性が悪い環境下で、白いフワフワとしたカビが苔の表面に発生することがあります。これは「糸状菌」と呼ばれる真菌の一種で、繁殖が進むと苔が変色したり枯死する原因になります。
2. 黒カビ(すす病)
名前のとおり黒ずんだカビが表面に出るタイプ。特に肥料や有機物が多く残った環境下で発生しやすく、観賞価値を大きく損ねます。
3. 腐敗病
一部の苔(たとえばスナゴケなど)は通気性や排水性が悪いと根腐れのような状態になり、葉が溶けるように枯れていきます。これは細菌や真菌が関係しているケースが多いとされています。
ベンレートとは? ― 殺菌剤としての役割
「ベンレート(Benlate)」とは、三共株式会社(現・住友化学)が開発した殺菌剤の商品名で、一般的には「ベノミル」という有効成分を含む農薬です。植物病害に広く用いられ、特に糸状菌(カビの一種)に強い効果を発揮します。
ベンレートの特徴
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広範囲に効く:うどんこ病や灰色カビ病など、さまざまな病気に対応。
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予防と治療両方に使える:病気の発生前に使えば予防になり、発生後でも早期ならば治療効果も見込める。
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水に溶かして使える:スプレーや灌水に使用でき、苔にも適した使い方が可能。
苔にベンレートを使う時の注意点
苔にとってベンレートは頼れる味方ですが、使い方を誤ると逆に苔を傷めることにもなりかねません。以下に注意点をまとめます。
1. 濃度を守る
苔は一般的な園芸植物よりも葉が小さくデリケートです。ベンレートの使用濃度は通常1000倍(0.1%)ですが、苔には1500~2000倍程度の希釈が安全です。
2. 乾燥した日に使用する
湿度が高いと薬剤が残留しやすく、苔の葉を傷める原因になります。乾燥した日、あるいは水やりの直後を避けて使用するのが望ましいです。
3. 過度に使わない
病気が出ていないのに定期的にベンレートを使い続けると、薬剤耐性菌が発生するリスクも。必要なときだけ、最小限にとどめるのが基本です。
苔の病気対策は「環境管理」が第一
薬剤に頼るのは最終手段です。苔の健康を守るには、まず環境管理が重要です。
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風通しを良くする
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苔の下にたまった枯葉や汚れを掃除
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明るい日陰(半日陰)をキープ
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霧吹きはこまめに、しかし水のやり過ぎは禁物
このような自然な管理をベースに、どうしても病気が広がる場合に限って、ベンレートなどの薬剤を使用するというのが理想です。
ベンレートを使った苔の病気対策まとめ
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 適用病害 | カビ類、糸状菌、灰色カビなど |
| 希釈濃度 | 1500〜2000倍 |
| 使用方法 | スプレーまたは灌水 |
| 使用頻度 | 症状が出たとき、または予防的に年に数回 |
| 使用の注意 | 晴れた日、乾燥した環境下で使用すること |
苔の美しさを守るために
苔は小さな存在ながら、育てることで深い愛着が湧いてくる植物です。病気に強く、環境にも優しい植物ではありますが、時に人の手によるケアが必要です。ベンレートはそのひとつの選択肢であり、正しい使い方を知っておけば、苔の健康寿命を伸ばす大きな助けとなります。
苔と向き合う時間は、自然とつながる時間でもあります。そのひとときを、病気に悩まされず安心して楽しめるよう、ぜひこの記事の内容を活用してみてください。

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