苔テラリウムに向くトカゲとイモリの種類と飼育ポイント
苔テラリウムは、美しい自然の景観をコンパクトに再現できるインテリアとして人気があります。そんな苔テラリウムに動きのあるアクセントを加える方法として、トカゲやイモリを飼育することが挙げられます。しかし、すべての爬虫類や両生類が苔テラリウムに適しているわけではありません。本記事では、苔テラリウムに向くトカゲやイモリの種類、飼育のポイント、注意点を詳しく紹介します。
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苔伝道師の増田(まっすん)です。
今日は「苔の豆知識」をお伝えしていきます♬
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1. 苔テラリウムに適した環境とは?
苔テラリウムとは、苔や小型の植物を主体としたガラス容器内の小さな生態系です。湿度が高く、温度は一定に保たれる環境が理想的であり、多くの爬虫類や両生類の生息環境と重なります。特に、以下のポイントを押さえた環境が必要です。
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湿度:60〜80%程度が適切
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温度:20〜28℃(種類による)
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植生:耐湿性のある植物や苔
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水場:飲水用、もしくは湿度を保つための水場
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通気性:空気の循環を考えた設計
これらを踏まえ、苔テラリウムに適した生き物を見ていきましょう。
2. 苔テラリウムに向くトカゲの種類
2-1. ヤモリ類
ヤモリは小型で温和な性格の種類が多く、苔テラリウムに適しています。
① ニホンヤモリ(Gekko japonicus)
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特徴:日本各地に生息する在来種で、湿度の高い環境を好む。
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大きさ:最大10cm程度。
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ポイント:夜行性であり、苔の間に身を隠すことができる。
② クレステッドゲッコー(Correlophus ciliatus)
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特徴:樹上性で湿度が高い環境を好む。
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大きさ:20cm前後。
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ポイント:苔の上を歩くこともあり、苔テラリウムのレイアウトに溶け込む。
2-2. アノール類
アノールは小型で飼育しやすい樹上性トカゲで、苔テラリウムに適しています。
③ グリーンアノール(Anolis carolinensis)
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特徴:緑色の体色を持ち、湿度の高い環境でも快適に過ごせる。
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大きさ:最大20cm程度。
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ポイント:適度な水場が必要。
2-3. 小型スキンク類
スキンクは地表性のトカゲで、地面に生えた苔の中に隠れる習性があります。
④ ヒメカナヘビ(Takydromus smaragdinus)
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特徴:日本に生息し、湿度のある森林地帯を好む。
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大きさ:最大20cm。
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ポイント:苔の茂みに隠れたり、低木を移動する。
3. 苔テラリウムに向くイモリの種類
3-1. ニホンイモリ(Cynops pyrrhogaster)
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特徴:日本の池や湿地に生息し、陸地と水場を行き来する。
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大きさ:最大10cm程度。
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ポイント:水場が必須で、テラリウム内に適度な水たまりを設置すると良い。
3-2. シリケンイモリ(Cynops ensicauda)
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特徴:温暖な地域に生息し、湿度の高い環境を好む。
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大きさ:最大15cm程度。
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ポイント:水場を広めに確保し、隠れ家として苔を利用できる。
3-3. アカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)
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特徴:日本固有のイモリで、特に水場のある環境を好む。
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大きさ:最大12cm程度。
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ポイント:水中と陸地をバランスよく配置し、苔の中に隠れるスペースを確保すると良い。
4. 苔テラリウムでの飼育ポイント
4-1. ケージレイアウト
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苔と共に、小型の流木や石を配置する。
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陸地と水場のバランスを考える。
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ヤモリ類には垂直の登り場を設ける。
4-2. 温湿度管理
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霧吹きを1日1〜2回行い、湿度を維持する。
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ヒーターや冷却ファンを利用して温度を適切に調整。
4-3. 餌の与え方
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主にコオロギやミルワームなどの昆虫を与える。
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イモリには人工飼料や冷凍アカムシも有効。
4-4. 共生の工夫
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トカゲとイモリを同じテラリウムで飼育する場合、縄張り争いを避けるために十分なスペースを確保する。
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適した生物を組み合わせることで、自然な生態系を演出できる。
5. 苔テラリウムでのトカゲ・イモリ飼育の注意点
5-1. 苔の傷みを防ぐ
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飼育する生体が苔を踏み荒らさないように、耐久性のある種類を選ぶ。
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定期的に霧吹きを行い、乾燥を防ぐ。
5-2. 脱走対策
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トカゲやイモリは小さな隙間から逃げることがあるため、ケージの蓋をしっかりと閉める。
5-3. 適切な個体数の維持
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過密飼育にならないようにし、ストレスを軽減する。
6. まとめ
苔テラリウムは見た目の美しさだけでなく、生体と共に育む楽しさも魅力です。ニホンヤモリやグリーンアノール、ニホンイモリ、アカハライモリなど、湿度を好む小型の生物は苔テラリウムに適しています。適切な環境管理を行い、トカゲやイモリが快適に暮らせるテラリウムを作りましょう。
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