多肉植物「センペルビウム」の魅力と育て方
~ロゼットを広げるヨーロッパ原産の女王~
はじめに
多肉植物の中でも「センペルビウム(Sempervivum)」は、バラの花のような美しいロゼット型をつくることで人気があります。日本では「センペル」「センペルさん」などと呼ばれ、コレクターの間でも長く愛されてきました。
特に魅力的なのは、丈夫さと耐寒性。ヨーロッパの高山地帯を原産とし、雪の下でも生き延びる力を持っています。日本の冬でも屋外で育てられる多肉植物として、多肉初心者からベテラン愛好家まで幅広い人気を集めています。
この記事では、センペルビウムの特徴や育て方、増やし方まで詳しく解説します。
センペルビウムとは?
基本情報
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学名:Sempervivum
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科属:ベンケイソウ科 センペルビウム属
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原産地:ヨーロッパの高山地帯
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名前の由来:「Sempervivum」はラテン語で「常に生きている」の意。
特徴
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ロゼット型に広がる美しい姿。
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葉の色は緑・赤・紫・茶など多彩。
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葉先に産毛のような毛がある種類も多い。
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強健で寒さにとても強い。
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花を咲かせると親株は枯れる「一稔性(モノカルピック)」の性質をもつ。
センペルビウムの魅力
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冬でも屋外で育てられる強健さ
雪の下でも枯れずに生き残る。耐寒性は多肉植物の中でもトップクラス。 -
多彩な品種とカラーリング
世界で数千種類の交配種が存在。赤・紫・黒・緑のグラデーションが楽しめる。 -
季節による色の変化
夏と冬で葉色が変わり、同じ株でも印象が違う。 -
増やす楽しみ
子株をランナーで次々と出し群生株をつくる。まるで花畑のように広がる姿が人気。
代表的なセンペルビウムの品種
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カルカリアム(Sempervivum calcareum)
葉先が赤く染まる代表種。丈夫で育てやすい。 -
アラクノイデウム(Sempervivum arachnoideum)
葉の中心に蜘蛛の巣のような毛が張るユニークな姿。 -
ティクトラム
赤みの強いロゼットで観賞価値が高い。 -
コモン種(交配種全般)
園芸用に流通しているものは交配種が多く、多彩な色合いが楽しめる。
センペルビウムの育て方
日当たり
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屋外の直射日光を好む。
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ただし真夏の猛暑では半日陰で管理すると葉焼けを防げる。
水やり
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春・秋の成長期:土が乾いたらたっぷり。
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夏・冬:休眠気味になるため控えめ(月1〜2回程度)。
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常に湿っていると根腐れの原因に。
土
温度
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耐寒性:マイナス15℃前後でも耐える。
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耐暑性:高温多湿に弱いため、夏は風通しを重視。
季節ごとの管理
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春(3〜5月):生育期。植え替えや株分けのベストシーズン。
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夏(6〜8月):高温多湿に弱い。遮光+風通しを意識。
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秋(9〜11月):再び成長期。紅葉して美しくなる。
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冬(12〜2月):屋外で管理可能。雪の下でも耐える。水やりは控えめに。
センペルビウムの増やし方
子株で増やす
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親株からランナーで子株が出る。
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春や秋に子株を切り離し、新しい鉢に植えると簡単に根付く。
種まき
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マニア向けの方法。発芽率は低いが、交配株を作りたい人に人気。
センペルビウムと花
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花は星型でピンク〜赤紫色。
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一度花を咲かせた親株は役割を終えて枯れる。
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しかし周囲に子株をたくさん残すため、株全体が消えるわけではない。
👉 「親が命を終えて子に未来を託す」という姿は、センペルビウムの大きな魅力でもある。
センペルビウムの寄せ植え
トラブルと対策
夏の蒸れで枯れる
→ 高温多湿で腐りやすい。
👉 対策:風通しの良い場所へ移動。水やりを控える。
葉が徒長する
→ 光不足が原因。
👉 対策:日当たりの良い屋外で管理。
親株が枯れる
→ 花を咲かせた後の自然なサイクル。
👉 対策:子株を残して次世代を育てる。
初心者におすすめのセンペルビウム
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カルカリアム
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アラクノイデウム
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赤系の交配種(丈夫で発色が美しい)
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小型〜中型の群生しやすいタイプ
👉 育てやすく、日本の気候にも適応しやすい。
まとめ
センペルビウムは、
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美しいロゼット型を楽しめる
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耐寒性が非常に強く、屋外でも冬越しできる
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季節ごとに色が変わり、一年中観賞価値が高い
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子株で簡単に増やせる
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親株が花を咲かせて枯れるという命のサイクルを感じられる
という、魅力的な多肉植物です。
「冬も屋外で楽しめる多肉が欲しい」「カラフルなロゼットを集めたい」という方には、センペルビウムは最適な品種です。小さな鉢植えから群生株まで、あなたの多肉ライフに新たな彩りを加えてくれることでしょう。
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