多肉植物の子株完全ガイド
~親株からつながる命を増やす楽しみ~
はじめに
多肉植物を育てていると、ふと株元や葉の間に小さな芽が出ているのを発見することがあります。これが「子株」です。子株は親株と同じ遺伝子を持ち、独立させて育てることで、新しい株として楽しむことができます。
多肉植物の繁殖は「葉挿し」「挿し木」「実生(種から育てる)」など複数の方法がありますが、子株による増殖は最も簡単で確実な方法です。この記事では、子株の基礎知識から実際の増やし方まで、詳しく解説します。
子株とは?
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親株の根元や茎から新しく出てきた小さな株のこと。
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親株のクローン(同じDNA)なので、花の色や姿がそのまま引き継がれる。
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根が出ている場合もあれば、芽の段階でまだ根がないこともある。
子株ができやすい属
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アエオニウム属(黒法師など木立ちタイプ)
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ハオルチア属(オブツーサ、万象など)
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セダム属(乙女心、虹の玉など群生しやすいタイプ)
👉 特にエケベリアやハオルチアは「子株で増やす」楽しみが大きい品種です。
子株ができる仕組み
多肉植物は乾燥地帯に適応した強い生命力を持っており、環境が良ければ自然に子株を出して群生します。
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成長点から分枝する → 黒法師など木立ちタイプ。
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根元から芽吹く → エケベリアやハオルチア。
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葉の縁から芽が出る → 子宝草や不死鳥。
この旺盛な繁殖力が、多肉植物が「コレクション性の高い植物」とされる理由のひとつです。
子株を外すメリット
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株を増やせる
親株と同じ姿の新しい株を楽しめる。 -
親株の負担を減らす
子株がつきすぎると親株が弱ることがある。 -
見た目を整える
鉢の中が込み合って蒸れやすくなるのを防ぐ。 -
コレクション管理に便利
品種ごとに分けて育てたいときに有効。
子株を外すタイミング
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子株の大きさが 親株の1/3程度 になったら外すのがベスト。
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根がついていれば、独立させても枯れる心配が少ない。
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季節は 春(4~6月)か秋(9~11月) が最適。
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夏は高温で蒸れやすく、冬は成長が止まるので避ける。
子株の外し方(基本手順)
準備するもの
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清潔なハサミやナイフ
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ピンセット
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新しい鉢と多肉植物用の土
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アルコール消毒液
手順
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株を鉢から抜く
根をほぐし、子株の位置を確認。 -
子株を切り離す
親株とのつながりを清潔なハサミでカット。
根がついていれば残すように。 -
切り口を乾燥させる
1〜3日、日陰で切り口を乾かす。 -
植え付ける
水はけの良い土に軽く置くように植える。 -
発根するまで管理
1〜2週間は断水気味。根が出たら水やりを開始。
子株の育て方のコツ
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明るい日陰からスタート
いきなり直射日光に当てると弱ってしまう。 -
小鉢で育てる
小さい鉢の方が根張りが早く、成長が安定しやすい。 -
乾燥気味の水やり
根が出るまでは断水気味に。発根確認後に通常管理へ。
子株の管理でよくある失敗
1. 枯れてしまう
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原因:切り口を乾かさずに植えた/水を与えすぎた。
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対策:必ず乾燥させる。発根までは断水。
2. 親株が弱る
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原因:まだ小さい子株を無理に外した。
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対策:十分大きく育つまで待つ。
3. 腐ってしまう
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原因:蒸れや過湿。
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対策:風通しを確保。梅雨や夏は注意。
子株ができやすい品種の特徴
エケベリア属
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根元から子株を出す。群生させると豪華。
ハオルチア属
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地中から子株が出る。植え替え時に分けるのがベスト。
セダム属
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小型種は群生しやすく、自然に子株が増える。
カランコエ属(子宝草など)
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葉の縁から無数の子株が出る、ユニークなタイプ。
子株を使った楽しみ方
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寄せ植えに活用
同じ品種を群生させて迫力ある鉢に。 -
ギフトに
増えた株を友人や家族にプレゼント。 -
コレクションの保険
大切な品種は子株を外してバックアップ株を育てる。
まとめ
多肉植物の子株は、親株から新しい命を受け継ぐ「自然の贈り物」です。
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親株の1/3程度に育ったら外すのがベスト。
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春と秋が最適なタイミング。
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切り口を乾燥させ、無機質で水はけの良い土に植える。
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小鉢で根を張らせ、徐々に光と水に慣らす。
正しく管理すれば、初心者でも簡単に株を増やせます。
子株を育てることで、コレクションはより豊かに広がり、多肉植物の魅力をさらに楽しむことができるでしょう。
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