多肉植物の水不足を見極める方法と回復のポイント
~枯らさないために知っておきたい基礎知識~
はじめに
多肉植物は「乾燥に強い」とよく言われます。確かに他の植物に比べて葉や茎に水を蓄える性質を持ち、少ない水で長期間生きられるのが特徴です。しかし、だからといって全く水がいらないわけではありません。
水不足が続くと、葉がしわしわになったり、株がしおれたり、最悪の場合は枯れてしまいます。特に初心者は「水やりのしすぎ」だけでなく「水やりを控えすぎ」ても失敗することが多いのです。
この記事では、多肉植物の水不足のサインと対策について詳しく紹介します。
水不足のサインを見極める
1. 葉がしわしわになる
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典型的な水不足のサイン。
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特に下葉からしわが入り、触ると柔らかくなっている。
2. 葉が薄くなる
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水分を蓄えられず、葉が薄っぺらくなる。
3. 株全体が小さく縮む
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ロゼット型の多肉では、葉が内側に巻き込むように縮む。
4. 生長が止まる
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水分不足で光合成ができず、成長点が活動をやめる。
5. 色が悪くなる
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つやがなくなり、くすんだ色に変化。
水不足になる原因
原因1:水やりを控えすぎ
「多肉=水を与えないほうがいい」という誤解から、長期間水やりをしていない。
原因2:用土の乾きすぎ
水はけの良い土は多肉に適していますが、極端に乾燥しやすい土では吸水できず水不足になることも。
原因3:直射日光や高温
強い日差しや暑さで蒸散が進み、水分が足りなくなる。
原因4:根のダメージ
植え替え直後や根腐れ後で、根が機能していない場合。水を与えても吸えないため水不足に。
原因5:鉢の環境
小さい鉢や素焼き鉢は乾燥が早く、水不足になりやすい。
水不足と水のやりすぎの違い
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水不足 → 葉がしわしわ、軽い、乾燥している。
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水のやりすぎ → 葉がブヨブヨ、黒ずむ、根が腐る。
👉 見極めのポイントは「触ったときの質感」。
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柔らかくてもハリがない → 水不足
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柔らかくて中身が詰まったように感じる → 過湿
水不足になったときの回復方法
1. たっぷりと水やりをする
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土が完全に乾いている場合は、鉢底から水が出るまでしっかり与える。
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数時間〜翌日には葉がふっくら戻ることも多い。
2. 水を徐々に与える
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乾燥が長く続いた株は急に水を吸えないことがある。
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少量ずつ与え、徐々に慣らす。
3. 半日陰で養生
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強い日差しを避け、風通しの良い半日陰で回復を待つ。
4. 根の確認
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水やりしても回復しない場合、根がダメになっている可能性がある。
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植え替えて新しい土に整えると改善することも。
季節ごとの水不足と対策
春・秋(成長期)
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水を吸う量が増えるため、水不足になりやすい。
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土が乾いたらすぐにたっぷり与える。
夏(休眠期)
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見た目は元気でも実は水分を必要としていない。
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水やりを控えてもよいが、乾燥しすぎるとしわが出る。月1〜2回少量の潤いを。
冬(低温期)
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気温が下がると根が活動しないため水を吸えない。
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室内管理で乾燥が強いと水不足になることがある。
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暖かい昼間に少量の水を与えるとよい。
品種による違い
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エケベリア属:水不足になると葉が顕著にしわしわになる。
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ハオルチア属:比較的水を好むため、乾燥させすぎると透明感が失われる。
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アエオニウム属:夏に休眠するため、水不足に見えても休眠中は放置でOK。
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セダム属:乾燥に強いが、水不足になると葉がポロポロ落ちる。
水不足を防ぐためのコツ
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葉の状態を観察する
色やハリを毎日確認する習慣を。 -
鉢を持ち上げて重さを測る
乾燥しているかどうかを感覚で判断できるようになる。 -
天候に合わせて調整
晴れが続くときは水不足になりやすい。 -
適切な鉢と用土を選ぶ
保水性と排水性のバランスが大切。 -
無理に断水しない
冬や夏でも「完全断水」が必ずしも正解ではない。
よくある質問
Q1:水不足で枯れた葉は復活する?
→ しわしわの葉は元に戻らないが、新しい葉が元気に育てば問題ない。
Q2:水不足と日照不足の違いは?
→ 水不足=葉が柔らかく薄い。
日照不足=葉が徒長して間延びする。
Q3:長期間放置した株は助かる?
→ 根が生きていれば回復可能。完全に枯れていなければ望みあり。
まとめ
多肉植物は乾燥に強いですが、水不足が続けば当然弱ってしまいます。
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葉のしわ・縮みは水不足のサイン
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季節や品種に合わせた水やりが大切
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水不足時はたっぷり与えて回復を待つ
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予防には観察とメリハリのある管理がポイント
「水やりしすぎ」も「水やり控えすぎ」も失敗のもと。大切なのは、株の声を観察しながら調整することです。
今日からぜひ、正しい水管理で健康的な多肉ライフを楽しんでください。
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