テラリウムと光の関係:植物の成長を左右する光環境の作り方
テラリウムを美しく維持し、植物を健康に育てるためには、光の管理が重要なポイントとなります。適切な光環境を整えることで、植物は美しく成長し、長期間楽しむことができます。本記事では、テラリウムに適した光の種類や光の強さ、照射時間、人工照明の活用方法などについて詳しく解説します。
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苔伝道師の増田(まっすん)です。
今日は「苔の豆知識」をお伝えしていきます♬
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1. テラリウムにおける光の役割
光は植物にとって最も重要な要素の一つです。光が植物に与える影響は以下の3つのポイントに分けられます。
1-1. 光合成の促進
植物は光を利用して光合成を行い、成長に必要なエネルギーを作り出します。光が不足すると光合成が十分に行われず、植物は弱ってしまいます。
1-2. 葉の成長と形状の変化
光の強さによって植物の成長の仕方が変わります。強い光の下では葉が厚くなり、コンパクトな形状になります。一方、光が弱い環境では葉が大きく伸び、光を求めて間延びした形になります(徒長)。
1-3. カラーリーフや花の発色
光の波長が植物の色に影響を与えます。特に赤色や青色の光は、植物の色素の発達に関与しており、鮮やかな葉色や花色を保つために必要です。
2. テラリウムに適した光の種類
テラリウムに使う光には、自然光と人工光があります。それぞれの特徴を理解し、適切な環境を整えましょう。
2-1. 自然光の利用
窓際の自然光を利用する場合、以下の点に注意が必要です。
-
直射日光を避ける
テラリウムのガラス容器は光を集めやすく、直射日光が当たると内部が高温になり、植物がダメージを受ける可能性があります。特に夏場は注意が必要です。 -
レースカーテンやブラインドで調整
明るさを調節するために、レースカーテン越しに置くとよいでしょう。半日陰を好む植物に適した光環境になります。 -
東向きや北向きの窓が理想的
朝日が差し込む東向きや、直射日光が少なく安定した光が入る北向きの窓辺は、テラリウムに適した場所です。
2-2. 人工光の活用
自然光が十分に確保できない場合は、人工照明を使って補いましょう。以下の種類のライトがテラリウムに適しています。
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LEDライト
省エネで熱を発しにくく、植物に適した波長の光を照射できるため、最もおすすめです。赤と青の波長をバランスよく含んだ「植物育成用LEDライト」が理想的です。 -
蛍光灯
白色系の蛍光灯(昼白色・昼光色)も植物育成に適しています。手軽に入手できるので、初心者にも使いやすい照明です。 -
ハロゲンライトや白熱灯はNG
これらの照明は熱を発しやすく、テラリウム内の温度が上がりすぎるため、植物を傷める可能性があります。
3. 光の強さと照射時間の調整
光の管理には、「光の強さ(照度)」と「照射時間」の調整が欠かせません。
3-1. 光の強さ(照度)
植物ごとに適した光の強さが異なります。以下の目安を参考にしてください。
植物の種類 | 必要な光の強さ(ルクス) | 具体例 |
---|---|---|
強い光を好む植物 | 10,000ルクス以上 | エアプランツ、サボテン |
中程度の光を好む植物 | 3,000~10,000ルクス | シダ、アグラオネマ |
弱い光で育つ植物 | 1,000~3,000ルクス | コケ類、ポトス |
3-2. 照射時間
光が不足すると植物の成長が遅れたり、葉が黄色くなることがあります。一般的な目安は以下の通りです。
- 日陰向きの植物:6~8時間
- 半日陰向きの植物:8~12時間
- 日向向きの植物:12~14時間
人工照明を使う場合、タイマーを活用して一定の光を供給するのがおすすめです。
4. 光の不足と過剰のサイン
植物の状態を観察し、適切な光環境に調整しましょう。
4-1. 光が不足している場合
- 葉が細長く伸びる(徒長)
- 葉の色が薄くなる
- 成長が遅くなる
- コケが枯れる
4-2. 光が強すぎる場合
- 葉が黄色や茶色になり、焼けたような斑点ができる
- 葉が縮む、乾燥しすぎる
- コケが白く変色する
このようなサインを見逃さず、照明の位置や時間を調整しましょう。
5. テラリウム向けの照明の選び方
最後に、テラリウム用の照明を選ぶ際のポイントをまとめます。
- LEDライトを選ぶ(省エネで熱を発しにくい)
- 植物育成用の波長を含むライトを使用する
- 照度(ルクス)を植物に合わせて調整する
- タイマーを使って適切な照射時間を確保する
- 光の当たり方を均等にするため、ライトの位置を調整する
まとめ
テラリウムの光環境を整えることで、植物は健やかに成長し、美しい景観を長く楽しむことができます。自然光を活用しつつ、必要に応じて人工照明を取り入れることで、理想的な光環境を実現しましょう。
光の管理を工夫することで、あなたのテラリウムがより魅力的な空間となるはずです。ぜひ、自分に合った照明方法を見つけ、植物とともに心地よい時間を過ごしてください。
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