スノードニア国立公園—ウェールズの苔スポット巡り

スノードニア国立公園—ウェールズの苔スポット巡り

ウェールズ北部に位置するスノードニア国立公園(Snowdonia National Park)は、英国随一の美しい自然景観を誇ります。その壮大な山々、静寂な湖、そして深い森は、訪れる者に忘れられない体験を提供してくれますが、特に注目すべきはその豊かな苔の世界です。ここでは、スノードニア国立公園に点在する苔の名スポットを紹介し、その魅力を掘り下げます。

 

 

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苔伝道師の増田(まっすん)です。

 

 

今日は「苔スポット情報」をお伝えしていきます♬

 

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1. スノードン山(Snowdon—Yr Wyddfa)

スノードニア国立公園の象徴とも言えるスノードン山は、苔愛好家にとっても特別な場所です。この山は標高1085メートルで、英国本土で最も高い山の一つですが、その険しい岩場や湿潤な環境は、珍しい苔や地衣類の宝庫となっています。

スノードン山の麓では、絨毯のように広がるミズゴケ(Sphagnum)が見られ、山道を登るにつれて、乾燥や寒冷に適応した多種多様な苔が姿を現します。特に、稀少種であるリュウビゴケ(Hookeria lucens)は苔研究家にとって目玉です。

  • アクセス情報:ラナーベリス村(Llanberis)から登山列車で山頂へ向かうか、徒歩で挑戦することができます。


2. ナント・グウィネル(Nant Gwynant)

この谷間に位置するナント・グウィネルは、静寂と神秘的な雰囲気が漂う苔のパラダイスです。谷には小川が流れ、その周囲にある湿った岩場には多種多様な苔が群生しています。

ここでは、青々としたゼニゴケ(Marchantia polymorpha)や、鮮やかな緑のホソバオキナゴケ(Thuidium tamariscinum)が簡単に観察できます。また、谷を散策するハイキングコースは苔スポットを巡るのに最適です。

  • おすすめの散策コース:ナント・グウィネル湖(Llyn Gwynant)の周辺を一周するルート。


3. コエッド・イ・ブレン(Coed y Brenin)森林公園

スノードニア国立公園内で最大級の森林を誇るコエッド・イ・ブレン森林公園は、苔好きにとって必見のスポットです。この公園は木々の間を縫うように設けられた小道が魅力で、そこかしこに苔が生い茂っています。

特に湿潤な森の中では、樹木の幹を覆うホソバミズゴケ(Sphagnum girgensohnii)や、岩場に繁茂するマルバヒラゴケ(Polytrichum commune)などが見つかります。また、小川沿いのトレイルでは、地衣類と苔が共生する珍しい景観が観察できます。

  • おすすめ時期:雨上がりの時期に訪れると、苔が最も鮮やかな色を見せてくれます。


4. ベツェス・イ・コエッド(Betws-y-Coed)

ベツェス・イ・コエッドはスノードニアの入口として知られる町で、多くのハイカーや自然愛好家が集まります。町の周辺には、美しい苔の見どころがたくさんあります。

中でも、スワロウ滝(Swallow Falls)は必見です。滝の周辺では、ミズゴケの仲間が水しぶきを受けて輝き、岩や倒木を覆う苔が自然の絵画のような美しさを演出しています。

  • アクセス情報:滝までは町から徒歩でアクセス可能。


5. ドルウィディラン城(Dolwyddelan Castle)

スノードニアの歴史的名所でもあるドルウィディラン城周辺には、苔が風情を添える魅力的な光景が広がっています。特に、城の石壁やその周囲の石積みに生えた苔は、中世の雰囲気をさらに高めています。

ここでは、シダゴケの一種であるヒメシノブゴケ(Plagiomnium undulatum)や、湿った地面に生えるクジャクゴケ(Ptilium crista-castrensis)などが観察できます。

  • 歴史的背景と苔:城の歴史を感じながら、苔を通じて自然との融合を楽しむことができます。


スノードニアの苔を楽しむためのポイント

  1. 装備を整える:湿潤な環境が多いため、防水性のある靴やレインウェアを用意しましょう。

  2. ルーペを持参する:苔の細部を観察するために、ルーペが役立ちます。

  3. 地元ガイドを活用する:苔の種類や生態について詳しく知るには、地元ガイドのツアーに参加するのがおすすめです。

  4. 環境を守る:苔は非常にデリケートな植物ですので、踏みつけたり採取したりせず、観察だけにとどめましょう。


まとめ

スノードニア国立公園は、その壮大な自然美だけでなく、苔という小さな世界の魅力も秘めています。これらのスポットを巡ることで、普段気づかない苔の奥深い生態系に触れることができるでしょう。次回の旅行には、スノードニアの苔巡りをぜひ計画してみてください。

 

 

 

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